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マイクロストリップ線路のマイターベンド計算ツール — 最適な面取り

DouvilleとJamesの関係式から、マイクロストリップ線路の90°曲がりの最適マイターを求めます。角の対角線を切り取る割合、対角線に沿った切り込み深さ、各外縁に沿った面取り長を、基板レイアウトにそのまま使える形で出力します。

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公式

M=52+65 e−1.35 W/h %,d=W2,x=M d,a=x2M = 52 + 65\,e^{-1.35\,W/h}\ \%,\quad d = W\sqrt{2},\quad x = M\,d,\quad a = x\sqrt{2}

参考: Douville & James, IEEE Trans. Microwave Theory Tech., MTT-26(3), pp. 175–181 (1978)

W— ストリップ幅 (mm)
h— 基板厚 (mm)
M— 最適マイター(対角線に対する割合) (%)
d— マイターのない角の対角線(外側の角から内側の角まで) (mm)
x— 外側の角から対角線に沿って切り取る深さ (mm)
a— 元の角から外側の各辺に沿った面取り長 (mm)

仕組み

マイクロストリップ線路の直角の曲がりでは、曲がりの外側に余分な金属が加わります。この余分な面積はグランドに対する過剰な容量となり、信号の一部を反射させます。この反射は周波数が高いほど大きくなります。外側の角を切り落とすマイター(面取り)によってこの容量を取り除けますが、切りすぎると逆に曲がりが誘導性になります。最適値はその中間にあり、Pozar『Microwave Engineering』(第4版、4.6節)は、円弧状の曲がり(スイープベンド)を設ける余地がないときの一般的な補償方法としてマイターを挙げています。

DouvilleとJamesの最適値

DouvilleとJamesは、さまざまな線路幅と基板で対称なマイクロストリップ線路の曲がりを測定し、反射が最小になるマイターを近似式にまとめました(IEEE Transactions on Microwave Theory and Techniques、1978年):

M=52+65 e−1.35 W/h %M = 52 + 65\,e^{-1.35\,W/h}\ \%
MM は、外側の角から測った、角の対角線のうち切り取る部分の割合(%)です。マイターのない角の対角線は外側の角から内側の角までで、長さは d=W2d = W\sqrt{2} です。したがって切断線は、外側の角から x=M dx = M\,d だけ内側の位置で、対角線に直交します。細い線路ほど広い線路より深いマイターが必要で、W/h=0.25W/h = 0.25 で98.38%、W/h=1W/h = 1 で68.85%となり、広い線路では52%に近づきます。

描き方

この切断では、角の外側から直角二等辺三角形を取り除きます。切断は、外側の各辺に沿って元の角の位置から x2x\sqrt{2} 戻った点から始まります。そのため、レイアウトツールではまず普通の角を描き、両端が元の角からその距離にある45°の線で面取りします。切断線と内側の角の間に残る部分 d−xd - x が、信号が通過する銅の最も狭い箇所です。

適用範囲

この関係は経験的な近似式で、εr\varepsilon_r にも周波数にも依存しません。DouvilleとJamesは、W/hW/h が0.25〜2.75、εr\varepsilon_r が2.5〜25の範囲の測定に基づき、W/h≥0.25W/h \geq 0.25、εr≤25\varepsilon_r \leq 25 に対してこの式を示しています。計算ツールは、どちらかの範囲を外れる入力に警告を出します。W/hW/h が約0.225を下回ると、外挿したマイターは100%を超え、内側の角を越えて切り込んで線路を切断してしまうため、計算ツールはその入力を受け付けません。この関係は、同じ幅の線路どうしの90°の曲がりに対するものです。

計算例

問題: 厚さ0.508 mmのRO4003C基板(εr = 3.55)上にある幅1.10 mmの50 Ωマイクロストリップ線路を、90°曲げます。角はどのようにマイター加工すればよいでしょうか?

ステップ1 - 線路幅と基板厚の比: W/h = 1.10 / 0.508 = 2.165

ステップ2 - 最適マイター(DouvilleとJames): M = 52 + 65 × e^(−1.35 × 2.165) = 55.49%

ステップ3 - 角の対角線: d = 1.10 × √2 = 1.556 mm

ステップ4 - 対角線に沿った切り込み深さ: x = 0.5549 × 1.556 = 0.863 mm

ステップ5 - 外側の各辺に沿った面取り: 0.863 × √2 = 1.221 mm(元の角からの距離)

ステップ6 - 内側の角に残る銅: d − x = 1.556 − 0.863 = 0.692 mm

W/h と εr は測定範囲内にあるため、警告は表示されません。同じ基板上の幅0.254 mm(W/h = 0.5)の100 Ω線路では、より深いマイターが必要です。M = 85.10%、x = 0.306 mm となり、内側の角に残る銅はわずか0.054 mmなので、基板メーカーの最小線幅と照らし合わせて確認してください。

実践的なヒント

  • ✓まずマイクロストリップ線路の計算ツールで目標インピーダンスに対する線路幅を求め、その幅でマイターを決めてください。
  • ✓W/h が3を超えると最適値はほとんど変わらない(3で53.13%、その先は52%に近づく)ため、広い線路では同じマイターを共通に使えます。
  • ✓基板に余裕がある場合は、半径が線路幅の3倍以上の円弧状の曲がり(スイープベンド)にすれば、角の不連続そのものを避けられます。
  • ✓マイターが補正するのは反射であって、曲がりの電気長ではありません。位相が重要な経路では、曲がりの部分も線路長に含めてください。

よくある間違い

  • ✗マイターを内側の角から測る。M は、角の対角線のうち外側の角から切り取る部分の割合です。
  • ✗どの線路にも同じ45°の面取りを使う。最適値は W/h によって変わり、細い線路では角のほぼ全体を、広い線路では半分を少し超える程度を切り取る必要があります。
  • ✗幅の異なる線路の間の曲がりに、この関係式でマイターを付ける。この式は、単一の線路幅の対称な曲がりに合わせて求められたものです。
  • ✗細い線路で、内側の角に残る銅を見落とす。マイターの割合が大きいと、基板メーカーの最小加工寸法を下回ることがあります。

よくある質問

外側の角を45°で切り落とした、マイクロストリップ線路の直角の曲がりです。その部分の銅を取り除くことで、直角の角がもつ過剰な容量が打ち消されます。この容量がそのままだと、高い周波数で信号の一部が反射されます。
DouvilleとJamesは、外側の角から切り取る量として、角の対角線の M = 52 + 65 × exp(−1.35 W/h) パーセントを求めました。線路幅が基板厚と等しい場合は68.85%で、細い線路では98%まで上がり、広い線路では52%に近づきます。
いいえ。この関係はストリップ幅と基板厚の比だけに依存します。比誘電率2.5〜25の基板で測定されたもので、その範囲外では、計算ツールが外挿であることを警告します。
半径が線路幅の3倍以上の円弧状の曲がり(スイープベンド)には不連続がほとんどありませんが、基板面積を多く使います。マイター付きの角は急な直角が必要な場所に収まり、最適値であれば反射を低く抑えられます。
直角の角を描いてから、外側を45°の線で面取りします。その線の両端は、外側の両辺に沿って元の角から面取り長 x√2 だけ戻った位置に置きます。計算ツールはこの長さを直接求めます。

方法論と参考文献

参考文献

  • Experimental Study of Symmetric Microstrip Bends and Their Compensation — R. J. P. Douville and D. S. James, IEEE Transactions on Microwave Theory and Techniques, vol. MTT-26, no. 3, pp. 175–181, March 1978 — the optimum-mitre relation
  • Microwave Engineering, 4th ed. — David M. Pozar (2012), §4.6, pp. 209–210 — compensated microstrip discontinuities: mitred bends and why they work

The mitre is Douville and James's relation evaluated directly: 68.85% at W/h = 1, 98.38% at 0.25, falling to 52% for wide strips.

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